とにかくトイレに行くヒマもないくらい速いやつ。まずはTOTAL CHAOZ、SEXTONSといったオランダのパンク・バンドを母体に結成されたから始めるべきだろう。現在なおSEEIN' REDと改名、オランダのシーンを引っ張っている。その影響力の大きさは、日本でいう
にも匹敵するほどである。
INFESTやSPAZZ、CAPITALIST CASUALITIESといった、後続のスピード・コア/パワー・ヴァイオレンス系バンドも、間違いなく彼らの影響下にあるといってもいいし、フランスのOPSTANDは共産主義、左翼的思想背景でも彼らと相通じる(SEEIN' REDとのスプリット7"も発表している)。
また、驚くべきことに彼らはストレート・エッジ・バンドでもあった。実際にメンバーの何人かは、PROFOUND,COLT TURKY、MANLIFTING-BANNER,といった、ユース・クルースタイルのバンドにも在籍していた。ストレート・エッジとスピードコア/パワーヴァイオレンス系統というと、どうも水と油という印象もあるかもしれないが、その昔から、YOUTH KORPS、IMPACT UNIT、NEGATIVE FX、NYC MAYHEMといった、スピード・コアの元祖的なバンドもいたし、そのNYC MAYHEMを母体に結成されたSTRAIGHT AHEADもシンガ・ロング主体のユースクルー・スタイルながら、やたらと速い。また、90年代に登場した、GRIND SxEを標榜する、MONSTER X。とかく突然変異的な印象が強いが、熱心なハードコアのレコード・コレクターであった、メンバーである。こうした、ストレート・エッジとスピードコアの脈々と流れる繋がりに着目していたことは想像に難くない。
元祖的といえば、コネティカットのYOUTH KORPSを筆頭に、DRI、NEOS(カナダのバンドだが)、SIEGEなど、こうしたやたらめったら速いバンドは、アメリカの専売特許であったのだが、その影響が80年代後半ごろ、イギリスに飛び火する。HERESY,,INTENSE DEGREE、ELECTRO HIPPIESらは、ボストン・ハードコアを下敷きに、ダーティーでノイジーなヨーロピアン・スタイルのハードコアを聴かせた。(これらの動きは、当時スピード・コア、グラインド・コアなどと呼ばれたが、グラインド・コアというと、今日のデスメタルやエクストリーム・ミュージックと連動する流れと紛らわしいので、本サイトでは、前者、スピード・コアという呼称をとる。)
また、この時期、日本のが、ヨーロピアン・ツアーを敢行。この種の音楽の世界同時発生的な流れのなかに、日本に
ありき、との印象を決定づけた。
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