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DESCRIPTIONS
じつに多くのひとびとが、イタリアの、いや、ハードコア史上最強のバンドと称える
RAW POWER。彼らの歴史は1981年、母体となるOFFLIMITSというバンドに遡る。こちらの音楽性は不明。中心メンバーのMauroとGiuseppe以外のパーソネルはつねに流動的であったという。
イタリアのMeccano Recsより、デビューLPYou are the Victim を発表。 しかし、レーベル自体真っ当に機能していなかったようで、こちらの作品はロクに流通されることもなかったようだ。
アメリカのハードコアが衰退、世代交代の兆しを見せるなか、この頃より、日本やヨーロッパ南米諸国といった地域のバンドに注目が集まる。P.E.A.C.EやWELCOME TO 1984といったコンピレーションによって、その流れは一般層にも浸透していったことはいうまでもない。
1983年には、カリフォルニアのカセット専門レーベルBCTより、彼らの最高傑作といっていいだろう、Brown Studio Demosが発表される(Burning the Factory(*2)というタイトルで、80'sハードコアの超名門再発レーベルGTAよりCD化されていたが、残念なことに廃盤。見つけ次第、是非とも入手してほしい、そして、もっとも再発が待ち望まれる一枚である)。
84年には、USツアーを行うが、"FUCK AUTHORIRY","RAW POWER"といった代表曲でシンガーを務めてしたSilvioが、喉を酷使しすぎたため、帰国してしまう(そりゃそうだ)。代わって、リード・ギターDavideが、彼の声帯模写(笑)を見事務め、ツアーをこなす。フリップ・サイド・ビデオで見たかぎり、彼らの熱演は、アメリカのパンクスにも熱狂的なレスポンスを獲得したようだ。いくつかの全米公演で共演した、PEACE
CORPSE(PILLUSBURY HARDCORE〜PISSED HAPPY CHILDREN〜MAN IS THE BASTARDのエリック・ウッドも在籍)のメンバーが運営する、Arizonaの
Toxic Shockとの契約も果たし、ポール"Zero Boy"マハーンのプロデュースで、85年にセカンドLPScreams from the Gutter(*1)を発表する。 ヘヴィ・メタルへの接近が著しくはあるが、すでに脱退してしまっていたSilvioの代役を、Davideが見事に務めており(ルパン三世の声をクリカンが務めるような感じといえばいいか)、これはこれで名盤といえるだろう。
1986には After Your Brain LPを同じくToxic Shockから発表しているが、ますますヘヴィ・メタルへの接近が顕著になり、商業的にはともかくも、その後の活動は停滞していたといっていいだろう。
近年では、80年代から90年代半ばまでのメタル路線をオミット。ハードコア・シーンに返り咲き、TOXIC
RUNCH(元TOXIC SHOCK)やMAD MOB(FEEDING THE FIREの初期音源集を発表した、ドイツのマッチョ系レーベル。)、HELLO
Recsといったレーベルから、それなりの好盤を発表。一時の汚名は挽回したにせよ、初期の輝きには遠く及ばないだろう。
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